Lilliput Steps

小さな一歩から着実に. 数学やプログラミングのことを書きます.

老害の引退記事

はじめに

こんにちは, かがみずです。沖縄高専 ICT 委員会に所属している 5 年生です。
この記事は ICT Advent Calendar 2015 の 21 日目の記事として書かれました。

コレ宣伝なんですけど, 今日 20 歳になりました! 1/5 世紀, 三十路 2/3 って感じの歳です。
(amazon の wishlist を公開しているのでよろしくお願いします!!!笑)
そんな僕が人生の 25 %*1の時間を過ごした ICT 委員会について, この記事では書いていこうと思います。

目次

  1. 昔の ICT 委員会を振り返って
  2. 今の ICT 委員会に思うこと
  3. 未来の ICT 委員会に願うこと

1. 昔の ICT 委員会を振り返って

後の話にもつながるので, いきなり老害感あふれるトピックから話を始めます。

1 年生の時の想い出

1 年生になってすぐの 4 月, ICT 委員会に入部しました。もともとは軽音楽部か水泳部に入りたいと思っていましたが, 新入生説明会で先輩たちが作っているゲームを見て一目惚れし, そのまま ICT 委員会に入っていました。

当時の ICT 委員会は, 皆が思い思いに物(プログラム)を作っているという印象を受けました。あとめっちゃ煽りが盛んでずっと煽り合いをしていました。
コンソールのゲームだったり, プレゼンをしているときにニコ動風にそのプレゼンにコメントを付けられるシステムだったり, 惑星の公転周期を求めるプログラムだったり, ...
とにかく, プログラミングして物を作ることが好きな先輩が多いことを実感しました。

また, 部全体の取り組みとして, 当時の ICT はプロコンの競技部門に全力で取り組んでいた様な気がします。

他にも, この時期には ちび LT という LT 大会がこの時期に盛んに行われていました。 ICT 委員会の先輩方が盛んに作ったものや技術についてのプレゼンをしていました。 この LT で技術系のプレゼンをする先輩たちは LT に向けて開発をする というより, 開発したものを LT で皆に伝える ということに重きをおいていたように思えました。

ぼくは, ゲームを作るための基礎勉強ということで, 部でもらった C の勉強教材を勉強していました。
そしてそのまま競技プログラミングの世界に引き込まれていって, 自分でもジャッジを作りたいと思い, 初代 KOJ を作ったりしました。

2 年生の時の想い出

始めて後輩がたくさんできる(予定だった)年です。新人教育の一環としてぼくが 1 年生歓迎テストで地雷みたいな問題ばっかり出題してしまって 1 年生の大量確保に失敗しました(´;ω;`)
1 年生には何度謝っても誤り足りないくらいつらい思いをさせてしまったことでしょう...

最初で最後の高専プロコンに出場しました。当時のチームは れおきゅん, なっちゃん先輩, にゃお先輩 とぼくの 4 人チームでした。

自分がやりたいこと(競技プログラミング)と高専プロコンの両立がうまくできず, リーダーのなっちゃん先輩と衝突したりしながらも, チームで開発をするときに一番必要な確認チャネルの確保の重要性, 報告・連絡・相談 について深く学ぶことができた年でした。

高専プロコンは競技部門以外のチームが特別賞と企業賞をもらい成果を残していました。
また, パソコン甲子園のモバイル部門(開発系の大会)でもグランプリを獲得していました。

部としては, 当時の専攻科生のぴんく先輩の影響もあって, 出場するコンテストの軸に大きな転換があった年だと思います。
競技系のコンテストが主軸だった ICT 委員会が, 高専プロコンの課題部門など, プロダクトになるようなアプリケーションを作るコンテスト, およびビジネスプラン系のコンテストに力を入れだしてきたという気がします。(それでも僕は, そのまま競技系の大会を頑張ろうと決めていました。)

3 年生の時の想い出

競技勢を増やすべく, 初代 KOJ を使いやすくして競技力のパワーアップを試みていた年でした。 2 代目の KOJ を作りました
ただ, 体系だった指導を行えなかったり, うまく競技プログラミングの魅力を伝えてあげられずに, 競技プログラミングに熱中するような後輩を作ることはできませんでした。

この年のプロコンでも, 昨年の成果に引き続き, 特別賞を得ていました。 まるさ先輩, ごや先輩, くま先輩率いる Anyware チームが大健闘した年です。

4 年生の時の想い出

受験勉強に精を出していた時期なので部にあまり顔を出せませんでした。
それは 5 年生になった, これまでの開発やプレゼンでの主力だった ICT の先輩方 (まるさ先輩, ごや先輩, なっちゃん先輩) も同じでした。

この年から開発の主力は実質的に当時の 3 年生(ぼくの 1 個下の代)になるはずだったのですが, なかなかリーダーとなるようなタイプの子が育成できておらず, プロコンなどのチームの編成に苦労していた思い出があります。

結局この年のプロコンは, 4 年生以下のメンバーで編成した課題部門のチームは敢闘賞に終わってしまいました。一方, 専攻科に進学したくま先輩 率いる競技部門は準優勝を遂げました。

そしてこの年, ICT 委員会は KAKEHASHI プロジェクトでアメリカへ行きました。この件に関してはなっちゃん先輩がブログで老害記事を書いているのでそちらを参照してください。

marin72.hatenablog.com

駆け足ですがざっと 4 年間を振り返ってみました。

2. 今の ICT 委員会に思うこと

さて, 今の振り返りをした上で, ここから今の ICT 委員会に僕が思っていることを書き連ねていきたいと思います。

技術力の低下

これは言うまでもないことでしょう。確実に技術力は低下しています。
開発を行うにあたって技術力とは不可欠です。必ず必要なものです
初歩の部分は部内の教材や AOJ などで補えますが, それだけで足りる訳がありません

技術があるからこそそれを活かせる場面を想像したり, それを武器として何かものが作れるようになります。

知識に貪欲であってください。能動的に待っているだけで得られるものはありません。自分から動き出してください。やりたいことはあるけど, どうすればそれを実現出来るか分からなければ聞いてください。ぼくは自分からやってみたい!と思えるようなことを見つけられるだけでこの点は解消できると考えています。

主体性の欠如

これは先の「技術力の低下」にも通ずるところが有ります。
指示されないから何もやらなくて良い, 指示されたから仕方なく技術について調べ始める。 こういう思考が張り巡らされているということは部にとって非常に危険な状態 だと僕は考えています。

今一度自分たちのチームについて考えなおしてみましょう。チームリーダーは誰だったんでしょう? M 教授ですか?違うはずです。でも, ほぼすべてのチームについて, ぼくの目からは M 教授がリーダーとしてチームを引っ張っていたようにしか見えません

それでいいんでしょうか?教員に頼ることは悪いことではありません。ただ, 完全に頼りきってしまって, 最終的に教授に過度な負担をかけている様に見えます。大会の前日に, 教授が一人で学校に残ってパンフレットを印刷したりポスターを印刷するという自体はこのまま繰り返されてもいいことなのでしょうか?

大会に出ることが当たり前 で, やらされてるから仕方なくやっている, というような考えで大会に出るのは, 教授にとっても学生にとっても本当に不利益なこと だと僕は思います。自分たちでやると決めたプロジェクトです。 メンバーの中に教員や先輩の名前はありません。 きちんと自分たちでプロジェクトを回さないといけないという自覚を持ってください。

時間管理の甘さ

これも先の「技術力の低下」と近い物があります。
技術力は低下しているのに時間管理が甘くなってしまっていて, プロダクトを期限までに作れなくなってしまうということが頻発してきています。
長期開発の場面で早めに行動を打って損をするということはまずないです。 大会が始まる告知があってからすぐにプロジェクトに取り掛かったって何ら問題はありません。
ギリギリになってとりかかるにしても, 自分の知らない技術をギリギリで習熟出来るかと言われると, 大抵の場合できません。
知らないことに対しての自分の力量を過信しすぎるのは驕りで危険です。早いうちに出来ることは早いうちにやりましょう。未来の自分への時間の投資だと思ってください。時間をかけるべきところにきちんと時間をかけられるようにしましょう。

コミュニケーションチャネルの崩壊

多くのチームで, うまくコミュニケーションができていないように見受けられる場面が多々見受けられました。
チームでの確認チャネルやコミュニケーションは非常に重要です。チーム内で建設的なディスカッションを出来るように心がけましょう。チームで円滑にコミュニケーションができず, 殺伐とした様子を他の人達に見せることはそのチーム以外の人にも悪い影響を与えます。チームとして作業をするということを知りましょう。
また, リーダーは定期的に進捗を確認すること, メンバーはリーダーに何ができていて何ができていないかというのを確認することが大事です。
教授を交えてやっていた朝会のような会を, 自分たちで企画してできれば良いでしょう。
また, チームでのプロジェクトは個人プレイでは通用しません。自分が困ったらチームメンバーに報連相, チームメンバーが困っていたらこちらから積極的に助けに行くべきです。自分の管轄でないことでも積極的に助けに行きましょう。チームとしての目標達成に近づいていけるはずです。

3. 未来の ICT 委員会に願うこと

ここに書いたことは何も皆を叱りつけたくて書いているわけではありません。皆ならこれをバネに, 今からの ICT 委員会をこれまで以上にいいところにしていけると信じて書いています。

振り返りを見てもらえば分かるように, ぼくも ICT 委員会で完璧に立ち振る舞ったり指導できたわけではありません。ぼくもこの振り返りを見ながら, 次はどうすればもっとうまく立ち振る舞って, 指導できるだろうか, ということを考えたいと思います。是非皆さんも同じように自分自身を見つめなおしてください。

この記事を読んでくれた ICT 委員会の後輩の皆が, 新年に向けて気持ちを切り替えて, 良いアウトプットを出すことに期待して, この記事の執筆を終えようと思います。

長い記事を読んでいただきありがとうございました。

*1:盛りましたvv