半正定値行列の平方根行列の存在と一意性
次の対称行列 を考えます。が任意のに対して
を満たすとき、を半正定値(対称)行列といい、が半正定値(対称)行列であるときと表記します。
のとき、ある がありが成り立ちます。このようなは一意に存在し、の平方根行列といいます。の平方根行列をと表記します。今回はこの事実を証明します。
が存在すること
が対称行列なので、直交行列が存在し、
と書くことができます。ここではの固有値を並べた対角行列です。
ここで、が対称行列であることからは実数です。また、が半正定値行列であることから、各に対してとなることが従います。したがって、
とおき、
とすると、
が成り立ちます。